撥油コーティングとは?撥油加工の原理や実用例を解説
 
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撥油コーティングとは?撥油加工の原理・仕組みや実用例などについて解説

フロロテクノロジーの「モノ造り」におけるコラムです。

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撥油コーティングとは?撥油加工の原理・仕組みや実用例などについて解説

公開:2022.7.11



撥油・撥油性とは、油や油系の汚れを弾く状態のことです。
撥油加工は対象物を綺麗な状態に保ち、保護する目的で行われます。

フッ素が油を弾く性質を利用して、布や精密機械など様々な物が撥油加工されています。

今回は、撥油について加工の仕組みや、どんな分野で使われているかについて詳しく解説します。


 

1.撥油とは

一般的には、個体表面に油を落とした時の接触角が40~80°ほどある表面を撥油性表面と呼びます。弊社フロロサーフで加工された表面は接触角65~80°(油成分の種類によって異なります。この数値は潤滑油の場合)の撥油性を発揮します。

通常の物質表面で、油が濡れ広がってしまったり、素材にしみ込んでしまったりすることがあります。これは、油成分は表面張力が低く液滴自身の内側に引かれる力が弱いためにおこります。

フッ素系コーティングされた表面は、世の中の個体の中で最も低い表面張力を持ち、唯一油をはじくことができる表面です。これはフッ素コーティング特有の性質です。シリコンなどの撥水性物質でも油をはじくことはできません。

撥油加工された表面は、油成分が付きにくく、シミになりにくい特性を発揮するので「防汚加工」とも呼ばれます。

また、撥油加工は、表面全体に撥油加工する以外にも、油分の広がりや漏れを防ぎたい場所に部分的に使用する方法もあります。オイルバリアとも呼ばれる使用方法で、シリコンオイルや潤滑油成分の拡散が効果的に抑えられます。

弊社製品フロロサーフは 「液体状の製品で、簡単に塗ることができて、常温乾燥で施工できるフッ素コーティング剤」を基本コンセプトとしております。どなたでも簡単に撥油加工が行える商品となっております。
フロロテクノロジーの撥油性能ご紹介ページはこちら
撥油の事例ページはこちら

フロロサーフは使用する溶剤が3種類に分けられ、用途や使用場面に応じてお選びいただけます。
いずれのタイプも塗布後常温で乾燥します。

・不燃性溶剤タイプ

非引火性、低毒性の溶剤を使用したタイプです。
搭載部品・プラスチック部分への影響がなく、消防法・労安法・PRTR法の規制対象外となるため安全にご利用いただけます。
用途にあった不燃性溶剤がお選びいただけますので、お気軽にご相談ください。

品番:FS-1610、FG-3660、FG-3661、FG-5080 、FG-5084 (他多数バリエーションあり)

・水性タイプ

水・アルコールで10〜30倍に希釈して使うタイプです。
環境に優しく10-30nm程度の薄膜なので、素材の外観を損ねません。

品番:FS-6130

・石油系溶剤タイプ

低毒性でプラスチック等への影響が少ないIPAやn-ヘプタンを溶剤として使用したタイプです。
PRTR法に指定された物質は入っておりません。
不燃性溶剤タイプよりも比較的安価なので、使いやすいコーティング剤です。

品番:FS-2060シリーズ(n-ヘプタン)、FS-2050シリーズ (IPA)、FG-4610シリーズ (n-ヘプタン /アセトン )

 

2.撥油【防汚】加工の例

日常生活でもっとも身近な撥油の仕組みを使った製品として、調理器具やキッチン用品が挙げられます。

よく目にする「テフロン加工」のテフロンとは、フッ素系樹脂のPTTE(ポリテトラフルオロエチレン)をデュポン社が商標登録したもの。前述の通り、フッ素樹脂の撥油性により、焦げ付きや汚れの付着が起きにくいことで有名になりました。

フロロテクノロジーの撥水撥油剤はPTTEよりもさらに表面張力が低いため、より優れた撥水・撥油効果を発揮します。
フロロテクノロジーの撥油性能ご紹介ページはこちら
撥油の事例ページはこちら

フロロサーフは食品に触れる用途には使用できませんが、下記に挙げました通り、普段意識することはないような身近な物に、撥油性の応用としてフッ素コーティングが施されています

  • スマホやタブレットPCのタッチパネルの汚れ防止
  • 日用品(防水スプレーとして)
  • 建築(木材、建材等のコーティング)
  • 工業(潤滑油の拡散防止/フラックス這い上がり防止/レンズ・ディスクへのオイル移行防止/精密部品の保護/低分子シリコンからの接点保護)
  • 社内設備(エレベータ操作盤や社内設備のガラスの汚れ防止/キーボードやディスプレイの保護)
  • 車のボディやホイールのコーティング(撥水+汚れ防止)
  • 宝飾品(宝石や金属の汚れ防止)

  • フッ素コーティングとは?フッ素コーティング剤に使われるフッ素樹脂が持つ特性と安全性について解説!

    最近では、スマホやタブレットの防汚コーティングが劣化してきた場合に、防汚性能回復のために再フッ素コーティングを行うお店も増えてきました。

    フッ素樹脂を使った撥油コーティングは、同じ汚れ防止でもカバーやシートをかける方法と比べて使用感が非常に優れ、見た目も損ねにくいという利点があります。

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    3.まとめ

    撥油コーティングは油系成分を弾くことで、汚れ防止や快適な操作性に繋げる役割があります。
    専門的な分野だけでなく、我々が普段使う調理器具・電化製品・スマホなどあらゆる物に使われており、意外と身近だということが分かりました。

    今回ご紹介したフッ素系コーティング剤のフロロサーフは、多数の種類の中から用途や目的に合ったものをお選びいただけます。

    ご希望の用途や膜厚に合わせて成分を調整できますので、まずはサンプルからお試しください。
    サンプル請求フォーム|フッ素コーティング剤や離型剤なら【フロロテクノロジー】

    この記事を書いた人
    技術営業部 営業課長 山本弘志の画像
    代表取締役 伊藤隆彦

    経歴

    1959年生まれ
    三重大学で卒研としてフッ素系撥水撥油処理剤の改良合成を行いました。
    卒業後コンタクトレンズの会社に就職。
    8年間勤めた後、不思議な縁でフッ素化合物の世界に戻ることになりました。
    以降業界歴通算33年を超えました。



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