経歴
1959年生まれ
三重大学で卒研としてフッ素系撥水撥油処理剤の改良合成を行いました。
卒業後コンタクトレンズの会社に就職。
8年間勤めた後、不思議な縁でフッ素化合物の世界に戻ることになりました。
以降業界歴通算33年を超えました。
公開:2022.7.11
撥油・撥油性とは、油や油系の汚れを弾く状態のことです。
撥油加工は対象物を綺麗な状態に保ち、保護する目的で行われます。
フッ素が油を弾く性質を利用して、布や精密機械など様々な物が撥油加工されています。
今回は、撥油について加工の仕組みや、どんな分野で使われているかについて詳しく解説します。
一般的には、個体表面に油を落とした時の接触角が40~80°ほどある表面を撥油性表面と呼びます。弊社フロロサーフで加工された表面は接触角65~80°(油成分の種類によって異なります。この数値は潤滑油の場合)の撥油性を発揮します。
通常の物質表面で、油が濡れ広がってしまったり、素材にしみ込んでしまったりすることがあります。これは、油成分は表面張力が低く液滴自身の内側に引かれる力が弱いためにおこります。
フッ素系コーティングされた表面は、世の中の個体の中で最も低い表面張力を持ち、唯一油をはじくことができる表面です。これはフッ素コーティング特有の性質です。シリコンなどの撥水性物質でも油をはじくことはできません。
撥油加工された表面は、油成分が付きにくく、シミになりにくい特性を発揮するので「防汚加工」とも呼ばれます。
また、撥油加工は、表面全体に撥油加工する以外にも、油分の広がりや漏れを防ぎたい場所に部分的に使用する方法もあります。オイルバリアとも呼ばれる使用方法で、シリコンオイルや潤滑油成分の拡散が効果的に抑えられます。
弊社製品フロロサーフは 「液体状の製品で、簡単に塗ることができて、常温乾燥で施工できるフッ素コーティング剤」を基本コンセプトとしております。どなたでも簡単に撥油加工が行える商品となっております。
フロロテクノロジーの撥油性能ご紹介ページはこちら
撥油の事例ページはこちら
フロロサーフは使用する溶剤が3種類に分けられ、用途や使用場面に応じてお選びいただけます。
いずれのタイプも塗布後常温で乾燥します。
非引火性、低毒性の溶剤を使用したタイプです。
搭載部品・プラスチック部分への影響がなく、消防法・労安法・PRTR法の規制対象外となるため安全にご利用いただけます。
用途にあった不燃性溶剤がお選びいただけますので、お気軽にご相談ください。
品番:FS-1610、FG-3660、FG-3661、FG-5080
、FG-5084 (他多数バリエーションあり)
水・アルコールで10〜30倍に希釈して使うタイプです。
環境に優しく10-30nm程度の薄膜なので、素材の外観を損ねません。
品番:FS-6130
低毒性でプラスチック等への影響が少ないIPAやn-ヘプタンを溶剤として使用したタイプです。
PRTR法に指定された物質は入っておりません。
不燃性溶剤タイプよりも比較的安価なので、使いやすいコーティング剤です。
品番:FS-2060シリーズ(n-ヘプタン)、FS-2050シリーズ
(IPA)、FG-4610シリーズ (n-ヘプタン /アセトン )
日常生活でもっとも身近な撥油の仕組みを使った製品として、調理器具やキッチン用品が挙げられます。
よく目にする「テフロン加工」のテフロンとは、フッ素系樹脂のPTTE(ポリテトラフルオロエチレン)をデュポン社が商標登録したもの。前述の通り、フッ素樹脂の撥油性により、焦げ付きや汚れの付着が起きにくいことで有名になりました。
フロロテクノロジーの撥水撥油剤はPTTEよりもさらに表面張力が低いため、より優れた撥水・撥油効果を発揮します。
フロロテクノロジーの撥油性能ご紹介ページはこちら
撥油の事例ページはこちら
フロロサーフは食品に触れる用途には使用できませんが、下記に挙げました通り、普段意識することはないような身近な物に、撥油性の応用としてフッ素コーティングが施されています
最近では、スマホやタブレットの防汚コーティングが劣化してきた場合に、防汚性能回復のために再フッ素コーティングを行うお店も増えてきました。
フッ素樹脂を使った撥油コーティングは、同じ汚れ防止でもカバーやシートをかける方法と比べて使用感が非常に優れ、見た目も損ねにくいという利点があります。
撥油コーティングは油系成分を弾くことで、汚れ防止や快適な操作性に繋げる役割があります。
専門的な分野だけでなく、我々が普段使う調理器具・電化製品・スマホなどあらゆる物に使われており、意外と身近だということが分かりました。
今回ご紹介したフッ素系コーティング剤のフロロサーフは、多数の種類の中から用途や目的に合ったものをお選びいただけます。
ご希望の用途や膜厚に合わせて成分を調整できますので、まずはサンプルからお試しください。
サンプル請求フォーム|フッ素コーティング剤や離型剤なら【フロロテクノロジー】
経歴
1959年生まれ
三重大学で卒研としてフッ素系撥水撥油処理剤の改良合成を行いました。
卒業後コンタクトレンズの会社に就職。
8年間勤めた後、不思議な縁でフッ素化合物の世界に戻ることになりました。
以降業界歴通算33年を超えました。
フッ素樹脂は、工業で広く扱われている素材です。耐薬品性・耐熱耐寒性・表面平滑性・耐摩耗性など優れた性質があるため、さまざまな分野で活用されています。
撥水撥油加工は水や油から製品を保護する機能により、重要な役割を果たします。
撥水性を考える上で、「防水」「耐水」との違いに疑問を持つ方も多いでしょう。
電子回路基板やプリント基板の品質を保つうえでは防湿コーティングは重要な工程の一つです。防湿コーティング剤には様々な商品があり、塗布方法も多種多様なため、どの製品を選べばよいのか悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
様々な電気機器に使用されるプリント配線板や実装部品では、以下のような物質の存在や現象が回路の短絡や断線、電流漏洩などの不具合を引き起こすことがあり、機器の動作不良や故障の原因となります。
多様な性能を持つフッ素樹脂加工やフッ素コーティングは、自動車・住宅の外壁・電子部品の基板保護など、広く使用されています。そのため、導入を検討している企業様も多いでしょう。
フッ素樹脂コーティングは、多様な特性を持っていることが特徴です。その特性によりいろいろな問題解決ができる分野も広く、様々な製品機能の向上が期待できます。
多様な性能を持つフッ素樹脂加工やフッ素コーティングは、自動車・住宅の外壁・電子部品の基板保護など、広く使用されています。